冬場、最も使われている暖房器具は『エアコン』です。
そのエアコン利用者に「冬場の室內環境で困っていることは?」というアンケート調査を行ったところ、第1位は「肌、のど、目、髪が乾燥する(56%)」でした。
エアコン暖房で「乾燥」するのは、室內の空気に含まれる水分が減ってしまうからではありません。
室內の溫度が上がると、濕度(相対濕度)が下ってしまうために生じます。
空気が含むことのできる水分の量(飽和水蒸気量)は、空気の溫度によって異なり、溫度が高いほど多くの水分を含むことができます。
加濕機能のないエアコン暖房は、空気を直接暖めることで部屋全體の溫度を上げるので、水蒸気は発生しません。つまり空気中の水分は増えずに、溫度だけが上昇するため、濕度(相対濕度)が低下して乾燥を引き起こしてしまうのです。
また、エアコンの溫風が直接、體に當たると、肌や唇、髪などが乾燥する原因となってしまうこともあるでしょう。
冬のお悩みでいちばん多い「乾燥」でのお困り。その原因は「濕度」の影響が大きいことがわかります。
気象庁発表によれば、東京の1月の平均濕度は52%。理想的な數字に見えるのに、なぜ乾燥していると感じるのでしょう?
たとえば、空気を「座席數が決まっている部屋」と考えます。
この例では、15℃の場合、最大で4人座ることができます。2席が埋まっているとすると、相対濕度は座席數に対してどれだけの席が埋まっているかという「割合」ですから、この場合、相対濕度は50%ということになります。
溫度が上がれば「座席數が増える」ので濕度は下がり、溫度が下がれば「座席數が減る」ため濕度は上がります。
夏と冬の濕度差を考えると分かりやすいと思いますが、溫度を下げた場合、空気中に存在できる水分量が大幅に減少します。
冬季に外気の濕度が50%であっても乾燥していると感じるのは、空気中に存在する水分量が少ないためなのです。
春と秋を比べたとき、気溫はそれほど変わらないのに、春の方が暖かく、秋は肌寒く感じた覚えはないでしょうか。
日本では季節風の影響で春~夏は濕度が高く、秋~冬は低くなり、空気が乾燥する傾向があります。
気溫が同じでも濕度が高いと暖かく感じるため、秋より春の方が、體感溫度が上がりやすいのです。
加濕をしながら暖房をすると、より暖かく感じられるので、加濕をしないで暖房したときより、低い設定溫度でも快適です。
一般的に濕度を40%以上にすると、 ウィルスの死滅率が上がるといわれています。
エアコン暖房による乾燥を防ぐには、濕度コントロールが重要です。
室內の快適な濕度を保つことで、のどやお肌の乾燥を防ぐことができます。
洗濯物を室內で干す
加濕器や加濕機能が付いた空気清浄機を設置する(加濕空気清浄機はエアコンの向かい側の壁を背に置くと効果的)
加濕機能がついたエアコンを使用する
10月になると、相対濕度が一気に10%以上も下がる変化の時期を迎えます。
一年のうち、もっとも空気が乾燥するのは12月~2月。相対濕度は50%前後にまで下がります(年間相対濕度の全國平均は70%)。 冬でも相対濕度が50%なら、一見理想的な濕度が保たれているように思えますが、これは屋外の濕度。冬は暖房するため屋外と屋內の溫度差が大きく、溫度が上がるほど濕度は下がるので、冬場の室內はグラフの數値よりもはるかに低い濕度になってしまい、そのために乾燥するのです。
年間平均濕度がもっとも高いのは青森県で78%。以下、富山県、島根県、福井県、巖手県…と続きます。
一方、都市部は濕度が低い傾向にあるようで、もっとも低いのは東京都。しかも東京の冬は年々、濕度が低下しています。
気象庁によると、東京の年間平均濕度は、1876年は78%でしたが、2013年には61%まで下がりました。また2011年には最小濕度9%を記録しています。
砂漠の平均濕度は20~25%程度だそうなので、最近の東京は砂漠より乾燥している時期があったりする、ということになりますね。
順位 | 都道府県 | 平均濕度(%) |
---|---|---|
1 | 東京都 | 62 |
2 | 群馬県 | 62 |
3 | 山梨県 | 63 |
4 | 大阪府 | 63 |
5 | 兵庫県 | 63 |
6 | 埼玉県 | 65 |
7 | 和歌山県 | 65 |
8 | 靜岡県 | 66 |
9 | 岡山県 | 66 |
10 | 千葉県 | 67 |
11 | 神奈川県 | 67 |
12 | 愛知県 | 67 |
13 | 京都府 | 67 |
14 | 広島県 | 67 |
15 | 香川県 | 67 |
16 | 福岡県 | 67 |
17 | 大分県 | 67 |
18 | 栃木県 | 68 |
19 | 岐阜県 | 68 |
20 | 徳島県 | 68 |
順位 | 都道府県 | 平均濕度(%) |
---|---|---|
21 | 愛媛県 | 68 |
22 | 三重県 | 69 |
23 | 熊本県 | 69 |
24 | 北海道 | 70 |
25 | 福島県 | 70 |
26 | 佐賀県 | 70 |
27 | 石川県 | 71 |
28 | 山口県 | 71 |
29 | 高知県 | 71 |
30 | 宮城県 | 72 |
31 | 新潟県 | 72 |
32 | 長野県 | 72 |
33 | 秋田県 | 73 |
34 | 奈良県 | 73 |
35 | 長崎県 | 73 |
36 | 鹿児島県 | 73 |
37 | 滋賀県 | 74 |
38 | 山形県 | 74 |
39 | 茨城県 | 74 |
40 | 鳥取県 | 74 |
41 | 宮崎県 | 74 |
42 | 沖縄県 | 74 |
43 | 巖手県 | 75 |
44 | 福井県 | 75 |
45 | 島根県 | 76 |
46 | 富山県 | 77 |
47 | 青森県 | 78 |
空気の可能性を信し?、追い求め、
新しい価値をくわえて
これまて?になかった空気を、世界へ屆けます。